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サプライチェーンの再構築がカギ  堅調な外需と復興需要でV字回復なるか

今後の見通し

政府の対応次第では7 ―9月期から回復基調も

 電力不足による供給危機と生産減、個人消費の落ち込みが日本経済の大きなリスクになっているが、救いは世界経済の成長が堅調なことと、10兆~ 20兆円もの復興需要が期待できる点だ。

 「供給危機は復興が順調に進めば、3 ~6カ月で解消されるはずだ。サプライチェーンの再構築が行われれば、依然として堅調な外需に支えられ、V字回復を遂げられる可能性が高い。海外競合国に生産が移行してしまう前に、早期の復興が望まれる。そのためにはスマートグリッド(次世代送電網)の実現や代替電力への分散など、被災地域の安定した電力供給が欠かせない」(バークレイズ・キャピタル証券の山川氏)

 「地震後の問題の多くは天災ではなく人災。つまり、政府が対応を誤らなければ7─9月期から回復基調になれるはず。小出しにせず、償還財源を明示したうえで、思い切って国債を増発し、復興を早期に進めるべきだ」(SMBC日興証券の末澤氏)

 「海外勢の日本に対する悲観論を払拭するには、原発問題を政府がきちんとマネージし、安全・安心をもたらすことに尽きる」(クレディ・アグリコル証券の加藤氏)

 ただし、原発事故と電力不足というこれまでにない国難とも言える事態に対処するには、ライフスタイルの転換や経済社会への考え方を抜本的に考えなくてはならないのかもしれない。

 「夏の電力不足解消には、生産輪番、夏休みの長期化、『5 時始業~ 12時終業』など、生活スタイルを大きく変える必要がある」(SMBC日興証券の末澤氏)

 プリンシパル・グローバル・インベスターズの板垣氏は、「日本経済は良い言い方をすれば成熟化、厳しい言い方をすれば老化している段階だ。最近の経済政策には『低成長期』との認識がなく、無理に税金を使って財政出動して成長戦略を描いてきたため、ことごとく失敗し、財政赤字を拡大させ続けている。身の丈にあった程度の成長を受け入れるという考え方もあるかもしれない」と語った。

 地震直後の直接的被害の段階が終わった今、日本は国が一体となって、従来の価値観に捉われず、難局を乗り切る知恵を出し合うことが重要ではないか。これから夏場にかけてが、日本の真の力が問われる正念場だ。そこでいかに対応するかによって、日本経済の今後は悲観シナリオにも楽観シナリオにも振れる可能性があるだろう。

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